排水設備<設計編>

ビニマスの設計積算のポイント

排水管の最小管径と勾配 『下水道排水設備指針と解説』(2004年版日本下水道協会)による。

汚水管
  1. 汚水のみを排出する排水管の内径および勾配は、特別な場合を除き、表-1の排水人口から定めます。ただし、一つの建物から排出される汚水の一部を排除する排水管で、管路延長が3m以下の場合は最小管径を75mm(勾配100分の3以上)とすることができます。

  2. 工場、事業所排水がある場合は、流量に応じて管径および勾配を定めます。

  3. 小規模の下水道においては、公共下水道本管の管径を考慮して、排水管の管径を定めることができます。

表-1
排水人口(人) 管径(mm) 勾配
150未満 100以上 100分の2以上
150以上 300未満 125以上 100分の1.7以上
300以上 500未満 150以上 100分の1.5以上
500以上 200以上 100分の1.2以上

雨水管または合流管
雨水管または合流管の管径および勾配は、表-2により排水面積から定めます。ただし、一つの敷地から排除される雨水または雨水を含む下水の一部を排除する排水管で、延長が3m以下の場合は最小管径を75mm(勾配100分の3以上)とすることができます。

表-2
排水面積(㎡) 管径(mm) 勾配
200未満 100以上 100分の2以上
200以上 400未満 125以上 100分の1.7以上
400以上 600未満 150以上 100分の1.5以上
600以上 1500未満 200以上 100分の1.2以上
1500以上 2500未満 250以上 100分の1以上

その他の場合
排水人口および敷地の形状、起伏等の関係で上記表による管径、勾配を用いることができない場合は、所要の流速、流量が得られる管径、勾配を選定します。下水道法施行令では、排水管の施工上の問題、維持管理を考慮して、排水管の勾配をやむを得ない場合を除き1/100以上とすると規定しているので、硬質塩化ビニル管、卵形管を使用する場合でも1/100以上とするのが望ましい。

管内流速

管内流速は管内の掃流力を考慮して0.6~1.5m/秒の範囲とします。ただし、やむを得ない場合は、最大流速を3.0m/秒とすることができます。

管種の選定

流量、水質、布設場所の状況、荷重、管の強度、管の形状、工事費、将来の維持管理を考慮し、各種管の特性と照らし合わせて選定します。(一般に宅地内では、硬質塩化ビニル管(VU管)が使用されます。)

硬質塩化ビニル管は水密性、耐薬品性に優れ軽量で施工性も良いが、露出配管の場合は耐候性に留意します。原則として、地中配管部には、VU管を使用し、露出配管部にはVP管を使用してください。

管を接続する継手には、管厚の違いによって内面に段差の生じないもの(ゔ管にはVU継手、VP管にはDV継手)を使用してください。

土被り

排水管の土被りは、原則として20cm以上としますが、荷重等を考慮の上、必要な土被りを確保します。なお、露出管または特別な荷重がかかる場合等は防護を施します。寒冷地の場合は、凍結深さを考慮して土被りを定めることが必要です。凍結深さの算定の一例に、右の式によって気象観測データから推定する方法があります。

Cは土の熱的定数、含水比、乾燥密度、凍結前後の地表温度等によって定まり、凍結指数にも影響されます。Fは気温と継続日数の積で表わされる値であり、この値は過去10年の最大凍結指数として、道路土工排水工指針(日本道路協会)等に掲げられているので、それを参照してください。砂利や砂等のように、凍上を起こしにくい均一な粒状材料からなる地盤の凍結深さと、凍結指数との関係の例を図-1に示します。また、凍結深さと土被りの例を示すと表-3の通りです。

表-3
地区 凍結深さ(cm) 土被り(cm)
道央 60~80 30~80
道南 20~60 30~55
道北 50~90 40~70
道東 50~120 50~80

公共マスへの取り付け

分流式の排水管は、汚水管および雨水管に分け、汚水管は公共汚水マスに、雨水管は公共雨水マスまたは側溝に、それぞれ敷地内において1本の排水管にまとめて取り付けます。合流式の排水管は、雨水と汚水を敷地内において1本の排水管にまとめ、公共マスに取り付けます。

基礎および保護

排水管は、沈下、損傷を防止するため、必要に応じて基礎、保護を施します。硬質塩化ビニル管の場合、普通地盤の場合は通常5cm程度の砂基礎とします。また、管の埋設深さをやむを得ず浅くする必要がある場合は、耐圧管または、さや管等により排水管が損傷を受けることのないように防護工を施します。

トラップ

排水管へ直結する器具には悪臭防止のため、器具トラップの設置を原則としますが、次に該当する場合は、トラップを設置します。
(1)器具トラップが設置できない場合
(2)既設排水設備の各汚水流出箇所の
トラップ取付工事が技術的に困難な場合

注)

  1. トラップは、他のトラップの封水保護と汚水を円滑に流下させる目的から、二重トラップにならないようにします。
  2. トラップには、トイレの排水を接続させてはならない。
  3. トラップには毛髪、布糸または、固形物を流さないように注意します。

トラップの構造

トラップは封水の機能によって、排水管または公共下水道からガス、臭気、虫等が器具を経て、屋内に侵入するのを防止するために設けます。

  • 封水深は50mm~100mmとし、封水を失いにくい構造とします。
  • 排水口からウエアまでの垂直距離600mm以下にしてください。
  • 二重トラップ(器具トラップを有する排水管を、トラップマスに接続する等)とならないように注意してください。

Pトラップ
Pトラップは、一般に広く用いられ、他の管トラップに比べ封水が最も安定しています。
Pトラップは、Sトラップと共に水洗器、洗面器用として広く使用されています。これに通気管を設ければ、封水安定の理想的な型となります。

Sトラップ
Sトラップは自己サイフォン現象を起こしやすく、封水が破れやすい。
Sトラップは、極めて自己サイフォン現象を起こしやすい型なので、あまり使用しないほうが無難です。

Uトラップ
Uトラップは主に横管に設置されるため、沈殿物が停滞しやすく、流れに障害が生じやすい。
Uトラップは、排水管の流速を阻害し、汚物等の停留を招く欠点があるので、やむを得ない場合のほかはあまり用いないほうがよいでしょう。

通気管

通気管は、排水管内の排水の流れを円滑にする、またはサイフォン作用、および負圧からトラップの封水を保護することと、排水管内に新鮮な空気を流通させて、排水管路内の換気を行うことを目的とし施工します。2階以上の建物、共同住宅等、複数の排水設備器具が設置される場合は、各々単独で配管する場合のほかは、誘導サイホン作用が生じやすく、封水破壊の恐れがあるので、有効な通気方式で通気管を設けるものとします。

トイレ配管の注意事項

トイレ排水との接続にはVU100のパイプを使用してください。また、屈曲部には、大曲エルボ[VULL100]を使用することを基本とします。トイレとの接続配管は75mmサイズでも可能ですが、配管方法によっては、便器の封水を破壊することもあります。通気管工事をしない場合は、75mm配管はできるだけ避けてください。

トラップインバートマスまたは、U型トラップ、P型トラップにはトイレの排水を接続しないでください。二重トラップとなり、封水破壊、または管路がつまったりします。

トイレを1・2階に設ける場合

トイレの封水を破壊するおそれがありますので、通気管を設けてください。「排水吸気弁」等の設置を推奨します。

防護蓋

設計上の諸注意

  1. 将来の増築、改築等の計画を考慮し、将来敷設替えを生じさせないように、十分な管径、勾配、土被りを選びます。
  2. 勾配は、ある程度きつめにして、管内の自浄効果を助長させます。
  3. 配管位置は、最短距離をとります。ただし、床下、空き地等の便宜的な縦横断は避けるようにします。
  4. 枝管による接続はなるべく避けるようにします。
  5. ビニマスを雨水マスに使用する場合は、要所に混入する土砂等の流下を阻止するために、底部が深さ15cm以上の泥溜を持つ雨水マス、タメマスを設けます。
  6. 外流しの接続は、分流区域では汚水管に接続し、地面より雨水、または土砂の浸入のない構造とします(雨水マス、タメマスを設ける)。また、外流しに雨樋の末端を取り入れないようにします。
  7. 分流式の雨水管と汚水管は平面的に重ならないようにし、交差する場所は汚水管が下部、雨水管が上部となるように設計してください。(図-1参照)
  8. 分流式の雨水管と汚水管が並列する場合、原則として汚水管を建物側とします。(図-2参照)

設計図

設計図の記号例 下水道排水設備指針と解説より

設計図例

●マエザワのビニマスを使用した設計図例
排水面積 地盤 最大延長 起点ます深さ 公共ます深さ 分流式
160㎡ 水平 19.8m No.1 30cm 80cm 80cm

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