グリーストラップについて
施設の厨房から出る油脂分を含んだ排水は、排水管を詰まらせたり、下水処理場の処理能力を低下させたりして、河川や海域の水質汚濁を招く原因になります。これらを予防するために、グリーストラップの設置が建設省告示で義務付けられています。
関連情報
グリーストラップの施工のポイント
- 流入方式(パイプ式、側溝式)および設置方式(土間埋設式、床吊式)に適合しているタイプか、ご確認ください。
- 床吊式をご使用になる場合は、防火、耐火上の関連がありますので、最寄りの消防署、または官公庁の建設指導課に事前にご相談ください。
- 槽の上部には過荷重をかけないでください。
- 車の通過、および駐車場に設置する場合は、事前にご相談ください。
(別途、耐強度のため、耐荷重蓋および特殊施工が必要です。) - 通気管は必要に応じ、配管してください。
- 施槽上部空間には、腐敗ガスや悪臭が発生しますので、槽の両サイドに付設している接続口より配管しやすい側を使用して屋外に出し、通風の良い場所に立ち上げて、先端には付属のベントキャップを接着してください。
- 通管底距離が不足の場合は、別途品「かさ上げ」を使用してください。
- 施工後は清水を張り、スムースに水が流れる事を確認してください。
グリーストラップの維持管理について
グリーストラップで除去された油脂、および汚泥は、産業廃棄物として処理してください。または地方自治体の指示に従ってください。清掃を怠るとトラップ内や汚水管に油脂が付着し、管内を詰まらせる原因になります。
ポイント
- バスケットの清掃は1日1回が原則
バスケット内には、多量のごみやカスが溜まります。状況にもよりますが、バスケットを毎日掃除してください。 - グリースの清掃は週1度
グリースの除去は少なくとも1週間に1度は、ストレーナー等ですくい上げ処理してください - 槽底部の沈殿物の清掃は月1度毎に
槽底部に溜まる沈殿物の清掃は、上部阻集油脂分の掃除期間の少なくとも、2~4倍(1ヶ月)の期間に行ってください。 - 回収した油脂分および汚泥の処理方法
処理方法は、各自治体によって異なっていますので、各担当課にお問い合わせの上、適切な処理を行ってください。庭土等に埋めて植木の肥料とするのも一つの良い方法です。 - トラップ管に強い衝撃は禁物です
本体内のトラップ管は丈夫な塩ビ製ですが、強烈な衝撃を与えますと破損するおそれがありますので、特にご注意ください。 - トラップ管のキャップは外さないでください
トラップ管に付いているキャップは臭気止めです。清掃時以外は絶対に取り外さないでください。
グリーストラップの清掃手順
グリーストラップの点検清掃を怠ると、本来の性能が発揮できなくなり、配管の目詰まり・悪臭の原因になりかねません。定期的な点検清掃をお願いします。
回収した油は、ビニル袋に入れ産業廃棄物として処理してください。または地方自治体の指示に従ってください。
グリーストラップ機種選定早見表
業種および店舗の全面積または、食数がわかっているときは、早見表を使って機種を選定できます。
機種選定早見表のご利用方法
例:洋食店で店舗全面積200m²の場合のグリーストラップはどの機種を選定すればよいか?
- この場合、店舗全面積が判っているので「表-1」を使用し、
業種別「洋食」の200m²が該当する(①)、
最小面積の欄220m²(②)の、
許容流入流量の187.5ℓ/分(③)のグリーストラップを選定します。
店舗全面積からの機種選定(表-1)
グリーストラップ選定基準計算書
次の計算式によって、流入流量及び阻集グリース量を計算します。
- 流入流量の計算方法:式(1)による
- 阻集グリースおよびたい積残の質量の計算方法:式(2)による
- 阻集グリースの質量の計算方法:式(3)による
- たい積残さの質量の計算方法:式(4)による
槽容量の決定
算出した流入量(Q)・阻集グリースおよびたい積残さの質量(G)を(性能一覧表)と比較し、(Q)及び(G)を共に上回る許容流入量及び標準阻集グリース量を持つ槽容量に決定する。